竜人たちの水飲み場

思ったことを書くだけ

ヤオキャラスト感想

ふせったーより再掲。

スドリカらしいハードなシナリオでしたが、物凄く良かったです。周源が自分たちのことを「侠客」と呼んでいるあたり、やっぱり水滸伝をモデルとした部分があるんだろうな~と思います。前言ってたけど。↓
https://twitter.com/whitedragonoid/status/1461093267240484868?s=20&t=90Ml4KG4lqNSghq1Fiy8mg

https://twitter.com/whitedragonoid/status/1460915084985704451?s=20&t=90Ml4KG4lqNSghq1Fiy8mg

あと配役も凝ってるなと思いました。「やぎさんゆうびん」を彷彿とさせる血牙会のヤギっぽい若者。遊び好きで人懐こい一面もあるものの、狂暴性を持ち合わせたシャチの周源。シャチは英語でkiller whaleですからね……ヤオの「いつか悪人になり下がる」発言を抜きにしても、最初から嫌な予感がしてました。こういうキャラと設定もまたいいなあと思います。

いやしかし、

こんなのヤオに惚れてしまう!最後のブラックアウトした後の一言とかもうね、キャ~~~!ですよ。色々とやり方は残酷すぎる面はありますし、もちろん殺人は良くないことなんですけど、にしてもカッコ良過ぎました。
ではもう少し詳細に振り返ってみましょう。

「正義」に傷ついてきた彼だからこそ、自分の「正義」はあくまで復讐にあるとし、いわゆる本来の「人の道にかなっている」という意味での「正義」については否定しているものの、
やはりその根底にはかつて抱いていたそんな「正義」が眠っており、ずっとそれを持って生きていたという事が良く分かりました。
清らかすぎる心が起こした悲劇の中で、彼はまだその清らかさを忘れていなかった。そして人の清らかな心までもを(はっきりとは表に出さなくても)尊重し、第二の自分となることを止めようとした(女の裏切りを告げる首領に「黙れ!」、手紙については「見るんじゃない!」等)。
そして何より、パンを友として想い続けていた……切ないですが、魅力的なエピソードでしたね。再び瑠璃の沼地に来て、もう手を差し伸べる相手がいない所、ああ~~!ってなりました……

ここでメインストーリーEclipse13-4あたりを見返すと、ヤオが今回のキャラストにおける周源、パンがヤオの立ち位置となっており、歴史が繰り返されていることが分かります。周源もヤオも家族を殺され、復讐の殺人鬼と化してしまう。もしよかったら、皆さんも見返してみて下さいね。切なさ倍増うけあいです……
また、13-5でのマオさんの台詞「連盟会が逆賊に正義の鉄槌を下しました」が、さらに悲しい響きを帯びました。この「正義の鉄槌を下す」というのは、周源も使っていた言葉なんですよね。ヤオによる事件で確かに連盟会は追及を受けるようになりましたが、一方で連盟会に正義の鉄槌を下そうとしていた彼は逆賊とされ、連盟会から逆に正義の鉄槌を下されてしまった。この構図も実に巧みでした。

因果応報はきっと人間の理想です。でも正しいことがもう少しだけ報われる世の中に生まれていれば、ヤオは今も幸せでいられたのかもしれません。そして衝動的だという欠点はあっても、パンにとって彼はずっと素敵な友達だったと思います。
せめて千雪とパンの中では、彼の隠された「義、誇り、慈悲の心」が、ずっと残っていて欲しいですね……

5/2追記
バトルで周源&周源の妻と戦わせるのマジで畜生だと思った
しかしこんなところまで手を抜かないのがスドリカ
もう流石としか言いようがない